インターネットすやすや

夢か現実かフィクション

2012-03-17

LIFE-LINE-DEAD

そういえばLINEをいれたんだけど、こないだすごいことがあって。

あれさぁ、接続すると自分のアドレス帳の知り合いがどんどん出てくるじゃない。しかもニックネームだとか本名だとかまぜこぜで登録されるじゃない。

わたしアドレス帳全然整理してなくて、中学の知り合いとかまだいっぱい入ってるわけ。LINEに並ぶ名前をパラパラ見てたら、死んじゃった知り合いの名前があったの。超びっくりして。なにこれ。あ、別に近しい仲だったわけじゃないんだ。中学の卒業の時、なんとなくいろんな人とアドレス交換するじゃん。あの頃Facebookとかなかったし、mixiも使ってなかったし、つながる手段って圧倒的にケータイだったから。とりあえずした、くらい。名前と顔は覚えてる、でも教室以外で会ったことは、きっとないの。彼、数年前に事故でなくなったのね。大学3年かな。えっと、わたしそのとき留学してたから、うん、あってる。だから葬儀とか行けなくて、人に聞いたんだけど。同じような年の、同じ場所で空気吸って会話も交わした人がこの世からいなくなるって、はじめてで。ぞわっとした。この程度の仲で泣くのも失礼でしょう、だからどう収拾つけたらいいのかわからないよね。失礼な話だけど喪失感とか悲しさとかとも違うよね。強いて言うなら、人は案外簡単に死ぬんだなーっていうかさ。唐突に。実感もなく。ケータイから消そうにも、消せないじゃん。当時彼がすきだったバンドの名前をもじったメールアドレスとか、消せないじゃん。恋? いやいやそんなんじゃなくて。もっと中学生でいた時間全部への哀愁っていうかさ。そういうぼんやりしたものだよね。かぶさってきてたものは。

で、まぁ、LINEで彼の名前を見つけたのよ。「友達かも?」とか言われて、えええっ、て思って。こわいっていうか不思議だった。SFみたいじゃない? 天国にメッセージ送る、みたい。あるいは「ほしのこえ」? セカイ系すぎるね、うんうんごめんごめん。電話番号がデータベース化されてるって調べたらすぐわかったんだけどさ。電話番号って、最近は使いまわされてるんだねえ。彼はわたしとアドレス交換したあとにケータイ変えてたかもしれないし、もう違う人が使ってても全然おかしくないよね。あーなるほどな、以前のこの「番号」の持ち主が今この世にいないことなんてまったく知らないまま、使ってる人がいるんだなぁって思って、ちょっと不思議な気分になった。データでは交わってるのに、絶対に交わることのない人たち。漫画みたいねこの言い方。大仰すぎる? わざとだよ。

そんなことをぼんやり考えてたらさ、彼から少し前に、着信履歴が残ってたんだよ。心臓止まりそうになった。わたしついに天国への扉ひらいちゃったの!? って感じですよ。はい、言い過ぎたね。まぁ呆れないで聞いてよ。あ、彼って、アプリ上の“彼”ね。もちろん違う人だよ。名前も住んでる場所も年齢も知らないし、別にいらないし。名前だけ“彼”ならそれ以上の情報は野暮。数日は放っておいたんだけど、その時すごい暇してたから、つい出来心でメッセージ送ってみたんだ。なんか10年前の掲示板とかチャット文化みたいでドキドキした。「こんにちは、いきなりごめんなさい、○○くんですか?」って。違うに決まってるんだけど。だってもう死んでるし。わたしはそれを知ってるし。

返事来ないだろうなーって思ってたら来てさ。「ごめんなさい、違います。あなたは△△さんですか?」って。違うんだけど。こっちも違いますって返して。さすがに終わりだろって思ったら、向こうも暇だったんだろうね、また返信来たんだよ。

「すみません、中学の頃付き合っていた彼女の名前で表示されて、ちょっと驚いて電話してしまいました。全然関係ないですよね、ご迷惑おかけしてすみません」。

……うわーって感じだよ。すごくない?

わたしは死んだ彼とメッセージしているように見えてて、彼には昔のーもしかしたら初めて付き合った子かもしれない、初恋の女の子かもしれないー彼女とやりとりしているように表示されてるんだよ。なんか、すごいじゃん。こうなると実体なんて飾りだよね。ディスプレイに表示される名前の密度と迫力だけが、異様に強い。“本当の”相手が誰かなんてもうどうでもよいよね。自分がそう信じちゃえば相手はその人になるね。名前って、強いね。この感覚はじめてで、すごかった。

そこで、そうです△△です、って答えてたらどうなってたのかなぁとかちょっと思う。何食わぬ顔で他人の名前を語って話しても、気づかなかったかもしれないね。もしかしたら思い出をめくり返す方が一瞬でも幸せになったかもしれないなーとか。わたしは“彼”が死んでることを知ってたからそんな風なこと求めていなかったけど、思い出の中の人がどこかで元気で生きてることを祈った、わたしのディスプレイには死んだ“彼”の名前で表示されてる男性の期待は宙に浮いちゃったな、とか。出会い系のサクラとか、こんな感じで他人の人生に関わるのかしら。なんて、下衆な方に話を持っていくのはやめるけど。でもそうやって救われる人、もしかしたらいるかもしれないね、って。

え、そのあと? 別にどうもならないよ。漫画だったらどうにかなるんだろうけど。さすがに、そこまで現実はファンタジーじゃないね。でも、メール送ってる相手がどんな人かなんて、生きてるか死んでるかなんて、実はわからないよねえ。普段も。そう思うとちょっとファンタジック。

っていう、おもしろがってもらえる人の範囲が超狭い話でしたー。

2012-02-12

咳をしてもうたた寝しても

「あ、そっかあ、もう一人暮らしじゃないんだ」

「そうなんだよ、だからなかなか家呼べなくてごめんね、まぁでもだいぶ落ち着いたから、また来てね」

「うん行く行く、念願のしあわせ家族生活を覗きにいく」

「はい!念願のね!」

「ほんとだよ、昔からずっと言ってたよね」

「夢は叶うんだね!すばらしい。今まで生きてきてよかった。のろけますが史上最高に幸せです!!!」

「どうですか、そんな生活は」

「やっぱりあれだね、家に帰ってもひとりじゃないっていうのはちょっと気分が明るくなるよ」

「うんうん」

「というか、帰る気になる、呑み歩いてふらふらで帰ってくることが減りました」

「健全で幸福な生活を手に入れたおねえさんに拍手」

「帰ってきてごはん準備しないといけないとか、仕事遅くなっちゃったりするとごめんごめん許してねって思いながら急いで帰るとか」

「帰ってすぐに、ただいま!って抱きつくのでしょう?」

「抱きつくね!もちろんね!!」

「はいはいうらやましいうらやましい爆発しろ」

「ほら、健全な肉体に健全な精神を宿らせたいじゃないですか、精神安定じゃないですか」

「うんうん」

「家にいるときあんまりイライラしなくなった。安心感?包容力? あれよく考えてみたら実際包容してるのはわたしなんだけど…まぁいっか…」

「休みの日とか何してんの」

「いっしょに出かけるよ」

「超インドア派なあなたがどこに…」

「一人じゃなくなってから、近くにいいカフェを見つけて通うようになった」

「おしゃれ~~」

「テラス席とかで本読んだりしておしゃれライフしてる」

「楽しそう、うらやましい」

「旅行とかは行きにくいんだけどねえ、でもあったかくなったら一緒に行きたいなー」

「そうだよねぇなかなか都合が」

「そこまでの移動もそうだし、だめなところも多いからさぁ」

「今度どっか連れてきてよ、わたしも会いたい」

「いいよいいよ。仲良くしよう」

「うーん、いいなぁ、わたしもそんな子がほしい!!!!ください!!降ってこい!!!」

「うける」

「いやー、でもずっとわたしも飼いたいんだよね、いぬ」

「めっちゃかわいいよ。しかし、独り身のさみしさは軽減するけどな!それがいいか悪いかは測りかねます!」

「うむそれはそうでしょうね、安易に想像がつきますね」

「恋をとるか癒しをとるか」

「お姉さんは後者を?」

「いやわたしは二兎を追いたいんだけどね」

「…」

「人生ままならないね」

 

2012-01-19

インターネットがいらないソーシャル

「あ、iPhoneにしたんだ、ケータイ」

「ううん、これiPod touch」

「おお、そっかなるほど。買ったの?」

「ううん、彼氏にお下がりもらったの」

「ケータイはそっちだよねえ」

「二つ折りで悪かったですね!」

「そういう意味じゃないってば!」

「おじさんたちは、ガラケーっていうんでしょ?こないだ言われてびっくりしたよ」

「あはは」

「今までケータイだったのになんで突然枕詞つくの?」

「だよねえ、ケータイだよね」

「ガラパゴスって呼ぶなら、絶滅危惧種として愛護団体のわたしたちも含めてちゃんと保護してほしいよ」

「保護しようとかじゃないよ!!」

「知ってるよ!!!」

「でも、長いよね、そのケータイ」

「うん、買い換えたいけどどうしようかな。周りでスマホが評判悪すぎるから迷う。使いにくそう」

Androidはまだ不安定かもね」

Android?って、要はスマホってことだよね?あってる?」

「だいたいあってるからそれでいいよ」

「彼氏にも怒られるけど、わたしの中だと“スマホとiPhone”の区別だよ」

「怒られるんだ、うける」

「別にそれで困らないもの」

「困らないよね」

「かわいいスマホ、かわいくないスマホ、iPhone、以上」

「あってるあってる」

iPod touch、便利だけどねー。絶滅危惧種保護団体としてはねー、パカパカ教徒だからさー」

「外じゃ使えないじゃん」

「失礼な!音楽は聞けますからね? 通信使いたいときはWi-fiルーターの電源いれる」

「へえ!そんなの持ってるの!」

「今家にネット引いてないから家でもこれだよ~」

「えっ」

「ていうか今パソコン壊れちゃって持ってない」

「えっっ」

「もう3ヶ月くらいかな?別になんとかなってる。ZOZOTOWN見たいくらい。買うほどでもないなーって思って。彼氏が次のMacbook出たら買い換えそうだし、お下がりもらおうかな~。小さいMacかわいいし」

「そ、それは……」

「びっくりした? だよねー。パソコンだいすきだもんねー。あいかわらず日夜怠らず警備してるの?」

「びっくりした!すごい!信じられない! 普段iPod touchでいろいろやってるの?」

「いろいろって?」

「学校の課題とか?」

「うーん、学校のパソコンでできるし、わたしそもそも大学じゃないしね。専門だからみんなに比べたらあんまりパソコン使う必要ないと思うよ、手動かしてつくるから」

「あとは?」

「メールとかモバイルサイトとかケータイから見るし、動画くらいかな」

「画面小さいじゃん」

「まぁねえ…でもどうしても大きい画面で見たいものなんてあんまりないよ、考えてもみなよ、何かある?映画とかだったら、DVD借りたらいいし、テレビはあるし」

「ふむ、じゃあ、アプリは?何使ってるの?」

Skype…?でもSkype動作が遅いからなあ」

iPodだと電話できないもんね」

「そうなんだよね」

「LINEは?」

「まぁ、たまーに。てか、あんまり電話しない」

「意外だ、めっちゃしてそう」

「会いにいけばいいからね」

「……すごい」

「なにが」

「会うんだなあ、そうだよなあ」

「え?どういうこと?今から会おうよって言って出かければ、回線、介して話す必要ないでしょ」

「そうだね、そりゃそうだ」

「話したきゃ会えばいいじゃん」

「おっしゃる通りです、ぱちぱち」

「待って、何に感心されてるのか全然わからない」

「いや、自分はインターネットに住んでるんだなって。むしろ深い森に迷いこみすぎだなって。目から鱗が」

「森なのに鱗?」

「お姉さん、それは慣用句でね…」

「ていうか、そう言うなら、ちゃんとメール返してよ、会おうと言おうにも電話もメールも」

「ごめんメールめんどうなんだもん」

「えー。ちょっと!住んでる意味とりもどして!」

「読んでるは読んでるんだけど返信がさあ…」

「何ならいちばんはやいの?」

「うーん……この状況を鑑みるとTwitterかなあ」

Twitterはすきよ、ガラパゴスなうちの子からもちゃんと見られるから」

「かわいいうちの子」

Facebookは、モバイルからリンク踏むと、エラーばっかりだよ」

「だめだねえ、高飛車だね」

「黒船さまがさしのべてくれなくたって、わたしはわたしでソーシャルに生きてるからいいの」

「自分の足と口でね」

「そうそう、ピンポーンて、インターホン押してね」

 

2012-01-02

指先から星

「もしもし?」

「なにこんな時間に…もう寝てたんだけど」

「うそだぁ、寝てないでしょ」

「寝てたよ」

「だってさっきふぁぼったじゃん、わたしの」

「…さすがですね」

「なめるなよ」

Twitter廃人を?」

「そうそう…って違うよ」

「インターネットの女神に愛された神の子をね」

「インターネットの女神とは」

「うんちょっといまいちだったごめん」

「素直でよろしい」

「インターネットに愛された、にしようかと思ったけど分散型システムが主語になるの微妙かなって思って」

「えー…なんかマジレスありがとう…」

「どうにもならないなら寝たほうがいい」

「何の話?」

「さっきツイートしてたじゃん」

「ちゃんと読んでたの」

「そりゃふぁぼったので」

「もう何もかもだるいです助けて神様」

「がんばれそれが生きるってことだ」

「なにその格言ぽいけど別に全然励まされないせりふ」

「使ってもいいよ」

「『がんばれそれが生きるってことだ』」

「はいはい星つけますよ」

「ふぁぼり返しですねわかります」

「深夜のTwitterの楽しさプライスレス」

「…まだ寝ないよね?長くなるけどぐちゃぐちゃしたこと話してもいい?」

「やだ」

「…冷たい…」

「明日」

「えっ」

「明日また電話して」

「え?」

「1日経ってもまだ話したければ」

「…何時」

「何時でも」

「ええと……はい」

「じゃあね」

「あ、すでに寝るツイートしておられる…」

「ふぁぼっておいて」

「はい…」

「おやすみ、また明日、どこかか電話口で」

2011-12-20

愛着のわく文字列の生成と、ネット遊びのお作法

Facebookはじめたいから教えて」

「えっ普通にはじめたらいいじゃん」

「なんかお作法みたいなことがよくわからない」

「ふうむ、お作法」

「ソーシャルなんちゃら、みたいなもの、今まで一度もやったことない」

「そうかあ、じゃあちょっと横で見てる」

mixiTwitterもやったことありませんね」

「なんでお父さん、Facebookはやろうと思ったの」

「会社の公式ページ?ができたらしいので」

「確かに。あるある」

「それをLikeしてよ、と社内通達が」

「その言い方重いw」

「結構周りもはじめてるっぽいんだよね…使ってはなさそうだけど。はじめただけで」

「へえ、おじさまたちが?」

「そうそう。普通に登録進めてるけど、これ名前、英語のほうがいいのかな」

「うーん、どっちでもいいけど、そのほうがいいかもね、海外も仕事で行くでしょう」

「でも中国じゃ使えないんでしょ?」

「そうだね使えない」

「それだとあんまりかもなあ…まぁとりあえずアルファベットにしとこう」

「本名でだいじょうぶ?微妙に省略させたりしてぼかす人もいるよ」

「…なんで?なにかまずいかな?」

「職場の人とつながる可能性があるってくらい」

「それは別にいいよ、だってもはや仕事用だもの。公式ページをLikeしたら終わりだし。使う予定ない」

「写真とかアップしないもんねえ。じゃあこのままで進めて」

「むしろ本名の方が気が楽」

「気が楽?」

「アカウントとかニックネームとか、自分で付けるの恥ずかしくて無理だよ。そういうの必要になるサービスは登録するときにもう嫌になってやめちゃう」

「なるほど、確かにねえ。それはそうだわ」

「本名でいいなら、アルファベットにするか漢字にするかひらがなにするか、くらいでしょう。それくらいを迷うレベルで限界」

「ネット活動してきてると愛着のある名前あるの珍しくないけど、そんなことないよね」

「ないねえ…むしろ自分で自分の名前付けるの抵抗ある」

「抵抗。」

「そこまで強くもないけど。名前を付けるって、緊張するじゃん」

「そんな重たくもないけどねえ、しょっちゅう変える人もいるし」

「その軽い感覚も、身につけていないからよくわからないところ。やっぱりパソコンは仕事するものってイメージが強いのもあるかな」

「アカウント持ってるのってなに?例えば」

GoogleアカウントとAmazonと楽天と銀行関係…くらい?」

「ふむふむなるほど。別にTwitter本名でやってもいいじゃん。Gmailと同じようなアカウントで」

「まずね、そこまでして書きたいことやつながりたい人はいないね、みんなやってないしね」

「インターネットでコミュニケーションするのが一番便利なわけじゃないよね」

「パソコン開くのが特別な行為な人はまだまだたくさんいるよ、君の世代が俺たちくらいの年になれば別かもしれないけど」

「あと30年。」

「そうだそうだ、30年」

「長いなあ」

「そのころは、死んでるか、寝たきりかもしれない」

「わたしは無職か、野垂れ死んでるかもしれない」

「もし寝たきりになったら、インターネットで遊べるよう努力するよ」

「いくらでもお教えしましょう」

「まぁ、しばらくは大丈夫そう」

「とはいえ、父上、いい年ですし、無理せず元気で暮らしなさって」

「大事ですね」

「大事ですよ」

「はぁ、冬だねえ」

「うん、寒いから今日もインターネットして過ごそう」

「いつもでしょう」

「いつもだけど」

2011-12-19

大海を知らずともReblogを知る

「なにしてんの」

「たんぶらーです」

「たんぶらーか、なら仕方がない」

「寝っ転がってふとんのなかでiPhoneでできるたんぶらー愛してる」

「メール打ったりブコメ書いたりツイートしたりは面倒でもね」

「ただ淡々とLikeとReblog」

「わかるわかる」

「何もしなくてもかわいい女の子の写真流れてくるなんて最高じゃないですか?」

「何もしなくても世界中の建築物の写真流れてくるなんて最高じゃないですか?」

「人前で開けないURLナンバーワン」

「奇跡のエロ画像の多さ」

「っていうか、ああいうの男の人的には嬉しいの?」

「エロさ求めてるというより、安心感すら覚えるよなもはや。たんぶらーと言えばエロ」

「はいはいエロ画像エロ画像」

吉木りさ逢沢りなだと迷うところですね」

「えっ、断然逢沢りなだわ!!!!かわ!いい!!!」

「ほんと女の子すきですね」

「女子校出身なめちゃいかんぜ 6年間なんのためにあったと思っているのだ君は」

「そのためじゃないだろう」

「かわいい女の子にまっすぐにときめくことに抵抗はまったくなくなりました」

「その熱意はそこに向けるのでいいの?」

「あのね、かわいいは正義ですよ」

「はいはい」

Tumblrは無限に続くので非常に暇つぶしに最高すぎて」

「手のひらの上で展開されてる感たまらん」

「ついったはパソコンで見るほうが多いけどTumblrはかなりiPhoneで見るなあ」

「電車の中じゃ危険で見れないけどね」

「自室でブラウザで見ててお母さんきた時とかけっこう焦るね」

「あるあるw ゲームやってるのバレた小学生みたいになるねw」

「うわっとー!タブ変えないとー!」

「そんなにエロ画像ばっかなのかよww」

「そんなことないねやっぱりAKBとハロが多いかな…最近AKBはGoogle+の写真供給が多いのd」

「あ、もうもうそれ以上はいいです」

TwitterとかFacebookは追っかけてないと置いてけぼり感がどうしてもあるけど、Tumblrはいつ開いても同じように次へ次へ続いていて、日付も時間も何もかも切り離されているから安心する」

「古いも新しいもないしね。2年前のものがまた流れてきたりね」

「再会!っていう謎のうれしさがある」

「原始、インターネットは広大な海であった」

「今もだけどね」

「でもTumblrが一番原始的な海感ある」

「でもTumblr化する世界がしあわせかどうかちょっとよくわからない」

「たんぶらー化するせかい。」

「デジタルに分解されて中心もなく散る」

「それは、ドキドキしますねえ」

「ドキドキもぞくぞくもしますねえ、あまりに恐ろしい」

「切り取られることが前提の文脈」

「スキャンされるのが前提のグラビア」

「こわいこわい」

「こわいこわい」

「それでも君はReblogするか?」

「文章と画像の海の中で我々はLikeとReblogしかできない」

「撤退は許されない」

「無力だね」

「無力だ」

2011-12-17

それは時差よりも手強い

「クリスマスどうすんの?」

「うーん、バイトかな…って、もう来週か、はやいね」

「あれっ、彼氏と別れたの?」

「いや…今ボストンにいるんだって」

「ああ留学か、そうだったそうだった」

「へえー、留学。あの人が。意外」

「そうそう、秋から。だよね?」

「うん、1年ね」

「長いなあ」

「長いよねえ」

「えーでも夏から全然会ってなくなかった?もうとっくに別れてると思ってたわ」

「うん、実際全然会ってなかった。夏かなり働いてましたからね…」

「インターンですねわかります」

「その状況で遠距離やばいのではないですか」

「東海岸時差すごいよね。真逆じゃん。13時間?14時間?」

「いや、意外に時差があるほうがいい気がする」

「ほう。それは興味深いですな」

「後学のために聞いておきたいですね」

「参考にする見込みあるの?」

「今のところ0%ですね」

「まあ、2012年はニューヨークに住んでるフォトグラファーと恋に落ちるかもしれないね」

「ホワイトハウスに勤めるアメリカンエリートと電撃結婚するかもしれないね」

「そうだな、お互いの生活してる時間がかぶるのが、24時間のうち一瞬しかなくなったから。そうするとその時間に合わせようって努力するじゃん。で、その他の時間はお互い自分の生活に集中してられるじゃん。って言葉にするとなんか身も蓋もないけど。」

「あー、ちょっとわかるかもなあ」

「正直デートするとき一番めんどくさいのって日程合わせることだよね…」

「だよね……」

「同じ大学で毎日のらくらしてたり家まで近かったりすると、どうせがんばって遊びに出かけなくてもいつでも会えるもんねって頭よぎるよなあ」

「そう思ってるとずるずる会わなくなるんですよね…」

「わかるわかるよ…まさにそれだよ夏のわたしは…!デートしなくていいのはいいね。Skypeしかできない」

「チャット?音声?」

「場合による。でもSkype偉大だと思う。まじで。世界平和への第一歩だわ」

「私設平和賞あざーす」

Skypeない恋愛キツいよなー考えられない…。メールも電話も楽しいけどお互いキーボードかちゃかちゃしながらおしゃべりしたいわ」

「それは遠距離じゃなくてもするのでは」

「はいもちろん!同じ部屋でな!」

「無言の部屋に響くキーボードの音」

「おなかすいた~ってチャット飛ばすとかね」

「あるあるすぎる」

「画面越しでも声聞けると嬉しい、顔見えるともっと嬉しい」

「のろけ出たよ…」

「これが夏まで愚痴ばかりだった彼女だなんて信じられません!劇的ビフォーアフター!」

「倦怠期は留学でリセット!」

「ananで特集組もう。“時差を恋のスパイスに!超遠距離恋愛のススメ☆”」

「ニッチすぎませんかお姉さん…」

「いやでもこの感覚けっこうあると思うよ!恋人が留学すると!そんなことないのかな!わたしが変なのか?わからんw」

Skype最高に楽しいし時間泥棒すぎるけど、それでも直接会うことに到底かなわないよね」

「電話がない時代は今すぐ声が聞きたいって思っただろうし、Skypeない時代は目の前で表情見れたらいいなって思っただろうし、どんどんテクノロジは夢を叶えてるけどそれでも人類は貪欲だね、全然満たされないね」

「技術の発展のためにいっぱいがんばってくれた偉い人達ごめんなさい」

「どんなにイライラしてても怒ってても次会ったら絶対!言ってやる!!と思ってても、顔見ると許しちゃうことあるよね…」

「そりゃ西野カナも震えるわ」

「会いたくて会いたくて」

「今度ウェブカム越しに震えてみるわ」

「で、まりちゃんはクリスマスどうするの」

「……えっと、彼氏とニューヨーク…ですね」

「はあ????」

「おいわたしと代われよニューヨークからボストンなら近い」

「代わっても、わたしの彼氏とニューヨーク行くっていう謎展開に…」

「彼氏に会いにいくために他の男と…」

「逆にそれおもしろくない?」

「なにがだよw クリスマスいいな…絶対超きれいじゃんニューヨーク…」

「楽しみだなー☆☆おみやげ買ってくるね☆てへぺろ~☆」

「…とりあえずリア充爆発しろ!でいいのかな」

「爆発しないほうのお姉さんはいい加減恋人はいらないのですか」

「だから毎回言ってるじゃん」

「はいはい」

「知ってる知ってる」

「つかみどころのない彼ね」

「字義通りな」

「みなさんご唱和ください」

「「「恋人はインターネット」」」